« Yahoo!のトップが | トップページ | 研修医定員削減とか »

2007/08/29

投薬と服用のジレンマ

Kusuri_2

最近夏風邪を引きまして、1週間近く苦しんでいたわけですが
ここ2~3日になってようやく症状が落ち着いてきています。

酷かった間は同期の研修医に薬を出して貰って、
それを飲みつつしのいでいたわけですが、
その際、薬を飲むのって案外大変だなぁ……という事を改めて感じました。
以下は今回俺が飲んでいた薬の処方内容ですが

・消炎鎮痛剤
・咳止め
・痰のキレを良くする薬
・喉の炎症を抑える薬
・発熱時の解熱剤 (屯用)

以上の4種類(+屯用1種類)を毎食後飲んだら4×3で一日12錠にもなります。

毎回毎回食後に薬の袋から、ドサドサと薬を出して、それを1錠ずつより分けて
そして飲んで、また袋にしまう。
意外にも、風邪を引いた体にはこの動作すらしんどいものでした。

病棟で患者さんに薬を出す時に、いつもその総数には気を配っているつもりですが
やはり看護師さんから

「先生、薬が多くて患者さん飲めてません。減らせませんか?」

という要望が時々あります。
特に粉薬は、唾液分泌や嚥下機能の衰えた患者さんには飲むのすら苦痛なものです。
なので、出来る限り薬の量は減らしてあげたい。

ただ医者の立場からすると、これが非常に頭を抱えるところで
どれも患者さんの体とっては良い薬を、選びに選んで出しているので
なかなか減量が難しいのが現状です。

しかもある薬の副作用を抑えるために、
また別の薬を併用しなければならない場合も多々あり、
例えば良く使われている消炎鎮痛剤の一部には、胃を荒らす作用があり
予防的に胃薬を一緒に飲んでおいた方が良いものがあります。
他にも癌の末期の患者さんに使用する麻薬性鎮痛剤には便秘が必発なため、
量によっては下剤を併用しなければなりません。

このように、薬は飲んでいた方が症状が取れ楽なのだけれど
それを目指すと幾らでも服用薬が増えてしまう……非常に悩ましい問題です。

薬の作用を知っている自分ですら飲むのが億劫なのだから
ましてや、作用の良く分からない薬を毎日飲んでいる患者さんはなおさらなのだろうと
いう事は容易に想像がつくのですが、だからと言って必要な薬を減らせば
患者さんは余計大変な思いをしてしまいます。
更には、状態の悪い患者さんになればなるほど、その治療に必要な薬は
増えてきてしまうという……まさに投薬の必要性と服用のジレンマです。
(これは余談ですが逆パターンで、諸所の事情で薬の経口投与が出来ないために
経口薬しか無い薬剤の場合、有効と分かってはいても投与が出来ないなんてことも。
この場合も全ての薬を点滴で投与しようとすれば、今度は体中が管だらけに……。)

このあたりはケースバイケースで難しい問題ですが、対応としては
薬の説明を患者さんにきちんとして服薬コンプライアンスを上げること、
要らない薬はなるべく削る事、そしてなるべく薬の量を減らす事
(一日三回の薬を、一日一回で良いものに変えるとか……)
などを医療者側のこまめな気配りと、ある程度の症状は服薬との兼ね合いを見て
薬を「出しすぎない」ようにする事もまた必要な事といえるのでしょうか。

ま、薬を出しまくってくれると安心するっていう稀有な人もたまに居ますけどね……(笑

|

« Yahoo!のトップが | トップページ | 研修医定員削減とか »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51632/16281253

この記事へのトラックバック一覧です: 投薬と服用のジレンマ:

« Yahoo!のトップが | トップページ | 研修医定員削減とか »