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2010/03/21

無医村の問題

読売新聞のニュースから。

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1通の辞職願で上小阿仁村が揺れている。村唯一の医療機関「上小阿仁村国保診療所」に勤務する有沢幸子医師(65)が「精神的に疲れた」と先月下旬、突然、退職表明し、61年ぶりの無医村になる可能性が出てきたのだ。休みは20日に1回という激務に耐え、地域医療を支えてきた有沢医師に何があったのか。

辞意を表した理由を有沢医師は公にしないが、小林宏晨村長(72)は「言われ無き中傷により、心に傷を負わせてしまったことが最大の原因」と語る。

村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。

また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという。

昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという。

診療所の小嶋有逸事務長補佐(60)は「こんなに身を粉にして働く医師は過去に例が無い。
無医村になったら村民が困る。自分で自分の首を絞めている」と憤る。

~・~・~・~

やりきれませんなあ。
最近はやっとマスコミも医師の重労働の現実を報道し始めるようになりましたが、
少し前までは、「患者の利益」などという大義を掲げて声高に医師叩きを扇動して
いました。

興味のある方は「無医村地区問題と医療費についての歴史」も読んでみて下さい。
無医村の実情にただただ落胆・失望するのみです。

「医者=お医者様、金持ち、偉そう、白い巨塔」などのイメージが一般の人には
あるようですが、それは多くの医者の現実とかけ離れています。
確かにそのような医者も約10%くらいはいますが、
多くの医者は良心的な医師で占められています。

残業手当も出ないのに患者のために夜遅くまで仕事をし、
当直では寝られず翌日は寝不足のまま仕事へ。36時間労働。
しかし、そんな状態だからと言って責任は誰も背負ってくれません。
私生活もままならず、大きな責任と長すぎる労働を課され、余った時間さえ
勉強に当てている。まともな医師であればある程、このような傾向にあります。

「ブラックジャックによろしく」の小児科編にもこんな事が書いてありました。
医師というのは皆、最初は患者に良い医療を提供しようという、夢と希望に
満ちあふれている。しかし現実にあるのは終わらない患者の列と
一部の身勝手な患者の文句、医療訴訟への恐怖。彼らは徐々に
無気力となり坦々と患者を診ていくだけの医師になってゆくのだ、と。

救急医療の現場では、
「検査は患者のためにやるんじゃない。訴訟になった時に、
ちゃんと必要な検査を全てしていたという、証拠を残すためにやるんだ」
と教えられたこともあります。

無駄な検査をせずに、診断を下すのが「名医」です。
しかしそんな「名医」は今時流行りません。

司法判断を下すのが、医療現場の実情を知らない素人裁判官である以上、
大切なのは「全ての可能性を否定するために隈なく行った検査」という証拠
だったりするのです。
ただ無駄な検査のお金は結局、患者や医療費への負担となるわけで……。

患者もほとんどはまともな、常識をわきまえた人達なんですけどね……。
ただ声高に権利を主張する一部の患者と、それを煽るマスコミが居て、
医療はもはや「ゴネたもん勝ち」の世界になりつつあります。

……何だか無医村の問題とはあまり関係ない話まで、色々と愚痴ってしまいました。
まともな医師とまともな患者が、より多くの恩恵を受けられるような
世の中になれば良いと心から思います。

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