2021年5月25日 (火)

TMB-Highは全ての癌でICIの効果を予測するわけではない (Ann Oncol 2021;32:661-672)

以前私の患者で膵がんTMB-Highの方が自費診療でICIを使った事があるんですが、見事に効かなかった覚えがあります。
本文献で見ると膵癌はたしかにCategory IIの下の方に位置しており、この研究の確からしさが垣間見えた気がしました(私の経験はN=1なんですけどね)
筆者らはTMBとCD8 Tcell infiltrationを合わせて使うことが良いと提案していますので、今後一つの指標となっていく可能性はありますね。

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TMB-Highの固形腫瘍に対するPembrolizumabの効果: KEYNOTE-158の前向きサブ解析 (Lancet Oncol 2020;21:1353-65)

少し前の報告になりますが、次のエントリーと合わせて読み直しました。

KEYNOTE-158は大腸がん以外の進行がんを対象に、MSI-H腫瘍に対するPembroの効果を検討した国際共同単群PⅡ試験。(大腸がんはKEYNOTE-164)

本試験は希少がんコホートA-J (肛門管・胆道・子宮頚部・子宮内膜・中皮腫・神経内分泌・顎下腺・SCLC・甲状腺・外陰癌)と、コホートK (最初からMSI-Hが判明している大腸がん以外の固形がん)に分かれており、コホートA-Jでは最初はbiomarkerに関わらず患者を集積・治療開始し、中間解析以降にbiomarkerの結果をopenする流れになっていた。
本研究はbiomarkerの内、TMB-High (≧10変異/Mb)とnonTMB-Hに分けて、効果を解析した結果。

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2021年5月11日 (火)

EGFR変異NSCLCに対するadjuvant Osimertinib (ADAURA試験) (N Engl J Med. 2020 Oct 29;383(18):1711-1723.)

久しぶりの更新。ついBlogの存在を忘れちゃうんだ……。

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さて、うちの病院では肺がんは呼吸器内科がやっているので、自分は基本的にタッチしない。
2020ASCOでCTONG1104試験の最終解析結果が出て、結果的にOSは差なしとのこと。
CTONG1104はgefitinib 2年で、本試験ではOsimertinib 3年間内服。
試験デザインもCTONG1104はプラチナadjuvantとの比較なのに対し、こちらはadjuvant入れたあとの追加内服という形。

まだimmatureなdataであるが効安勧告でstopとなっている。
CTONG1104のDFS HR=0.56に対し、こちらは0.17。この差は薬剤の差という解釈でいいのだろうか。

18ヶ月時点からplaceboはOSのカーブが落ちかけているのでこのまま試験を続けていれば恐らくOSでも差がついた可能性はあるが、key openとなった24ヶ月以降はplacebo群のカーブがflatになっている。CTONG1104のデータが出たときにはgefitinibのHRは良好だけど、時間が経つに連れずるずる生存曲線が落ちていったことに批判が出ていた。(結局cureしていないのでは、という批判) 今回はまだimmatureだけど、生存曲線も落ちていないしHRも0.19とかなりでかいし、この結果で臨床の標準治療になるのかな?

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2021年4月12日 (月)

特発性間質性肺炎のあるNSCLC患者にAtezolozumab (J Thorac Oncol. 2020;15:1935-1942)

消化器がんなどではあまり見ないが、時々IPを疑う肺炎像を合併した患者がいる。もしくはこれまでのchemoでIPを起こした患者に免疫チェックポイント阻害剤を使っていいのか迷う時がある。

NivoでIP(≦G2)を起こした患者にNivo再投与した場合0-30%でIPが再燃したという報告があり、再燃しても基本的にGrade1-2で済むと報告されている。(1-5)
個々のケースで判断が必要なのかも知れないが、臨床的には悩ましいところ。本論文のhoneycomb lungというのをネットで調べてみたが、どこまでがhoneycomb lungでどこまでがそうでないlungなのかの区別がわからんかった。ウィキペディアには「蜂巣肺の定義は厳格に見えるにも関わらず、CT上でのその識別はそれぞれの観察者によって様々である。」とか書いてあるしなー。

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2021年3月23日 (火)

CTC≧3の転移性大腸がんに対するFOLFOXIRI+Bev: VISNU-1試験 (ESMO Open. 2020 Nov;5(6):e000944.)

CTC≧3はintensiveな治療をした方が良い患者のbiomarkerになるかもという、スペインTTDからの報告。
AEのprofileは既報とあまり変わらない印象だけど治療関連死が多い気がする。

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«神経内分泌腫瘍に対するSurufatinibの成績 2文献 (中国) (Lancet Oncol. 2020;21:1489-1499 & 1500-1512. )