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2010年3月17日 (水)

一次性頭痛まとめ② 治療編

一次性頭痛の治療

①からの続き。

~・~・~・~

■ 片頭痛

[薬物療法]: 重症度に応じた治療が推奨されている。
基本的には刺激を避け、頭を冷やし、早めに薬を飲んで、寝る
また頭痛ダイアリーは患者・主治医間の意思疎通に有効。

軽~中: NSAIDs (+ 制吐薬:ドンペリドン、メトクロプラミド) 

例: アセトアミノフェン 900mg 頭痛時屯用 (1回量が多い方が効きやすい)
例: インドメタシン(イドメシン坐剤) 50mg 1回1個屯用 
   (+ ナウゼリン 10mg or プリンペラン 10mg): 制吐剤との併用により治療効果が上がる。

中~重: トリプタン製剤 (発作早期に内服する方が効果的)
      エルゴタミン・カフェイン製剤 (ほとんど使わない。トリプタンでも再発の多い患者など)

例: イミグラン錠 (50) 1回50mgで2時間経っても効果不十分の時は、追加投与可。(200mg/dayまで)
   イミグラン注 (3) 1回3mg 皮下注。1時間経っても効果不十分の場合は追加投与可。(6mg/dayまで)


トリプタン製剤は2010. 3月現在、5種類が日本で保険適用となっている。
簡単にそれぞれの特徴を記載するが、実際は「合う・合わない」があり、
とりあえずランダムに処方して、3回ほど使用しても駄目なら別の薬に変える、というのがpracticalらしい。

・スマトリプタン (イミグラン):半減期2時間、経口吸収率は低い。注射・点鼻薬あり。自己注射可。
・ゾルミトリプタン(ゾーミック):経口吸収率↑。口腔内崩壊錠もある。持続長め、発現はやや遅い。
・エレトリプタン (レルパックス):血中濃度上昇が1~1.2hと迅速。半減期も3.2~3.9hと長めで、速効性+再発低下が期待出来る。
・リザトリプタン (マクサルト):血中濃度上昇が1hと迅速。発作 or 非発作時で効果発現速度に差が無い。
                 (通常発作時の効果発現は非発作時より遅いとされる)
・ナラトリプタン (アマージ):半減期5.5hと比較的長く効く。


漢方薬: エビデンスが比較的あるものとしては、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)の定期服用が有効であると。
虚証・陰証の人向け(頭痛がして冷えを伴い、胃部圧重患があり、嘔吐または悪心(おしん)があるもの。)


サプリメント: ナツシロギク、Mg、ビタミンB2などは片頭痛予防に有効とされる。


予防療法: 効果判定には最低2ヶ月。3~6ヶ月使って効果良好であれば漸減。

・ Ca拮抗薬……ロメリジン(ミグシス)は日本で唯一片頭痛の予防に保険適用がある。10~20mg/day。
・ 抗うつ薬……アミノトリプチン
・ β遮断薬……プロプラノロール                   
・ 抗てんかん薬……バルプロ酸

上記3剤はいずれもエビデンスがあるが保険適用が無い。
しかし診断の項で述べたような共存症がある場合には、それらの病名で処方する事が出来る。

[非薬物療法]
薬物療法は服用頻度が高まると、薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があるため
非薬物療法も推奨されている。副作用が無く、効果も実証されており非常にusefulというのだが、
一般内科医にとってはややハードルが高い。

・ 認知行動療法
・ 理学治療

■ 緊張型頭痛

緊張型頭痛は大雑把に、その頻度によって稀発(≦1日/月)、頻発(≦15日/月)、慢性(≧15日/月)とあるが、
稀発と頻発では薬物療法、慢性では乱用を防止するため非薬物療法がまず勧められる。
ちなみに前者2つは末梢性、後者は中枢性メカニズムと、その病態の差も指摘されている。

[薬物療法]

メインはNSAIDs, アセトアミノフェン (+ 抗不安薬:)

例: アセトアミノフェン 1,200mg 分3 (+ デパス 3mg 分3) など

予防療法としては、三環系抗うつ薬、筋弛緩薬、SSRI、抗不安薬などがあるが、抗うつ薬以外はエビデンス少ない。

例:アミトリプチン(トリプタノール):10~25mg/day
例:チザニジン(テルネリン)3~6mg/day , エペリゾン(ミオナール) 150mg/day

[非薬物療法]

頭痛体操くらいは教えられるようになっておきたいものだ。
エビデンスレベルとしては低い(比較試験が組みにくいため)が、安価かつ安全であるため推奨されている。
他に、認知行動療法(リラックスし、ストレスを発散する)、指圧・マッサージ・鍼灸・温熱療法などもある。


■ 群発頭痛

[薬物療法]

群発頭痛ではNSAIDsなどの効果は薄い。禁酒させる。

自宅では
① スマトリプタン(イミグラン)の3mg皮下注射が推奨されており、保険適用もある。
病院ならば
② O2 7L/min フェイスマスクで15~20分間の吸入という選択肢もあり、約80%に改善効果があると報告されている。

予防療法としては

・ Ca拮抗薬(ベラパミル: ワソラン)120~240mg/day (保険適用外)
  副作用として便秘、徐脈、血圧低下等ある。blockなど無いかECG 要check。
・ エルゴタミン製剤(1~2mg/day)の就寝前1~2時間の服用で夜間発作抑制に有効。
・ 発作期に短期的にステロイドの併用も可。(PSL 40mg~スタートし3日毎に10mgずつ漸減。12日で中止) 


参考資料:
臨床雑誌 内科 頭痛・めまいの治療(Vol.103 No.5)
慢性頭痛の診療ガイドライン 第1版
頭痛大学 
UCSFに学ぶできる内科医への近道 第3版 (南山堂)

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