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2013年5月17日 (金)

肥満患者への化学療法

日本では比較的少ないけど、肥満患者が来るとchemoするのに困るよね。
標準体重でやるのか、実測値でやるのか。
この前膵癌の人が来て、体表面積測ったら1.9m2以上あったからGEM 1900mg/bodyとか。
GEMならまだしも、大量に投与するのが躊躇われる薬もあるわけで。
それで、上の先生に聞いてみたところASCOからガイドラインが出ているらしい。
こんなことも知らずにいたとは、お恥ずかしい限り。

Appropriate Chemotherapy Dosing for Obese Adult Patients With Cancer: American Society of Clinical Oncology Clinical Practice Guideline
(JCO 2012 vol. 30 no. 13 1553-1561より)

結論としては、肥満患者には実測体重で体表面積を計算して投与せよとのこと。
理由としては、実測値でchemoしたからといって有害事象が増えるというevidenceは無いが、
理想体重で投与(減量)することによって効果が減弱する可能性があるから、とのこと。
(もちろん、はっきりとした比較試験が行われたわけではない)

なるほど。

この文献には他にも幾つかclinical questionが載っていて、
・ 肥満患者で副作用が強く出たとき、減量は通常と異なる方法が必要か?
・ 量が決まっている(CHOPのVCRなど)化学療法剤は、肥満者でも同様のdoseで行うのか?
・ 肥満患者の体表面積の計算式はどれが適切か?
・ 肥満患者におけるpharmacokinetic or pharmacogenetic factorの役割とは?

と書いてあるが、いずれも通常の人と同様にやりなさいとのこと。
最後の質問に対しては、まだ研究段階であると。
今のところは、肥満患者だからといって特別扱いしなくていいってことのようだ。
またchemo中に体重変化(5~10%以上太った or 痩せた)があった場合は、
再計算を考慮してもよいとあった。(ただし、これも確固たるevidenceがあるわけではない)

勉強になりました。

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