« 切除可能肝転移を持つ大腸癌患者へのperioperative chemoの有用性 (Lancet Oncol 2013; 14; 1208-15) | トップページ | ASCO速報@大腸癌 ブリストル勉強会 »

2014年1月 7日 (火)

化学療法rechallengeについて(Nat Rev Clin Oncol. 2013; 10:571-87)

最近Drug rechallengeについての報告が多く出ている気がする。
特に分子標的薬分野では各製薬会社が少しでも自社の薬を使わせようと躍起になっているようだ。Bevacizumabなんてもう露骨過ぎて見てらんない。
大腸癌にせよ、肺癌にせよ、卵巣がんにせよpositiveな結果が出ているということは良い薬なのだろうが、まーそろそろ飽きてきた。
ことがんの世界においては、いい加減日本も混合診療を取り入れないと潰れますよ。

とまあ、そんな愚痴はどうでも良いとして。

rechallengeという概念については非常に興味深い。何故ならここには様々な問題が含まれているからだ。
第一に「耐性」とは何なのか。
我々は現在一般的にはRECIST PDを「耐性」と解釈している。しかし無治療と比較すれば、PDとなった後も使用を継続した方がより予後延長に寄与するのではないか?そう考えることは臨床の中ではよくある。
第二に「耐性」は何故起こるのか?
遺伝子変異が耐性に結びついている報告は多くあり、基礎研究でも報告されている。しかしin vitroの環境で作り出す薬剤耐性は実際とは全く異なった特殊な環境であり、そこで見つかった機序は実臨床ではほとんど起こっていない可能性がある。最近の研究では治療への反応性が変化した腫瘍から得たcloneの内多くは、遺伝学的には元々の腫瘍と同じであり、必ずしも変異を含んでいない事が判明してきている。
第三に、それでは我々は何を「真の耐性」の指標にするべきか。逆に言えば何を真のendpoint(=生命予後延長)の代替指標(surrogate marker)にすべきか。
Responseが必ずしもsurivalの代替指標にならない事は周知の事実であるが、かと言って何を指標にすれば薬剤の効果を図れるのかについてはまだ議論と研究が必要。最近ではPETによるviabilityが一指標となるという報告も出ている。それが分かれば臨床試験にかかる莫大な費用と時間が節約できる可能性がある。

このような事からrechallengeという概念は実臨床的な利益はもちろんだが、腫瘍学の本質にも係る根本的な疑問につながっている。

rechallengeには

1. 耐性となった薬剤を一定の休薬期間を置いて、同量で再導入する。(例: 卵巣がんに対するプラチナ製剤)
2. 治療中耐性となった場合、一度介在する別の治療を置いて、その後に再導入する。(例: GISTへのimatinib)
3. 治療中耐性となった場合でも(新しい併用薬とともに)同じ薬剤を続ける(例: 大腸がんの5-FU)

と大きく3つの方法があるのだが……と、この辺りを延々と書いていると終わらなくなってしまうので、この辺でやめておく。色々と勉強になったレビューであった。

|

« 切除可能肝転移を持つ大腸癌患者へのperioperative chemoの有用性 (Lancet Oncol 2013; 14; 1208-15) | トップページ | ASCO速報@大腸癌 ブリストル勉強会 »

論文」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51632/58903660

この記事へのトラックバック一覧です: 化学療法rechallengeについて(Nat Rev Clin Oncol. 2013; 10:571-87):

« 切除可能肝転移を持つ大腸癌患者へのperioperative chemoの有用性 (Lancet Oncol 2013; 14; 1208-15) | トップページ | ASCO速報@大腸癌 ブリストル勉強会 »