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2016年3月14日 (月)

大腸がんの新しいコンセンサスサブタイプ (Nat Med. 2015; 21: 1350-6.)

少し前に発表されたものですが、こういうのを読むとやっぱり基礎論文は読んでおかないとと思います。
臨床論文だけ読んでいても、時代の流れが掴めないんだよね……。
内容は大腸がんのmolecular subtypeを現段階で分かる範囲でまとめて、コンセンサスを作成したよと言うもの。

方法

過去に独自にmolecular subtypeを発表していた6つの研究グループが、約4000例の遺伝子解析データをサブタイピングし、そのデータを更にネットワーク解析で類似性の高い4つのクラスターに分類し、それをコンセンサスサブタイプと名付けたというもの。

① CMS1 (MSI immune: MSI免疫型)
CMS1は全体の14%を占める。遺伝子変異(特にBRAF変異)が多い。MSI腫瘍の大多数がここに分類される。
CIMP-high。免疫細胞の高度な浸潤を伴う。女性、右側結腸、組織学的Gradeが高いことが多いのが特徴。
RFSは他のサブタイプと同様であるが、再発した後のOSは最も短い。

② CMS2 (Canonical: 古典型)
CMS2は全体の37%を占めChromosomal instability (CIN)多い。WNTおよびMYC経路の顕著な活性化。多くの遺伝子異常の蓄積によって生じた、いわゆる古典的・標準的なタイプ。左側結腸に多く、再発後のOSが比較的良好。

③ CMS3 (Metabolic: 代謝型)
CMS3は全体の13%を占める。代謝経路(各種糖質、アミノ酸、脂質)の制御異常が特徴。KRASの遺伝子変異の割りたい高い。somatic copy number alterations (SCNA)が特に少なく、CIMP-low多い。

④ CMS4 (Mesenchymal: 間葉型)
CMS4は全体の24%を占める。間質浸潤や間葉系活性化蛋白の過剰発現が特徴的。EMT経路亢進。
CMS4は進行した状態で診断された例で多い。OS、RFS共に最も悪い。

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この結果から各々のサブタイプで新しい治療戦略が考えられそうですね。様々な因子が関連するため、これといった決め手に欠けていた大腸がんの全体像をやや俯瞰できたかなと思います。ただ、研究は主にStageⅡ, Ⅲの検体から抽出した結果であることにも注意が必要。StageⅠ, Ⅳではまた違った分子生物学的特徴が含まれている可能性もあります。

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