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2019年5月13日 (月)

大腸がん抗EGFR抗体のre-challengeについて (Ann Oncol 2019, 30: 243-249)

EGFR抗体のre-challengeについて、ctDNA中のRAS or EGFR変異クローンのmonitoringが有効かもよという論文。
色々言われてきたけど、勉強になる内容だと思います。日本語訳とopinion leaderのコメントはこちらにあるので、論文読むのが面倒くさい人もおすすめ。てか、私は論文読んだ後にきづいたよ!

MDアンダーソンで抗EGFR抗体を使用しPDとなった患者の、初回治療後及びre-challenge時のctDNAを比較。
RAS変異, EGFR変異, multiple concurrent RAS変異のsubcloneを半定量化し、半減期を指数関数モデルに当てはめグラフ化。
もちろん、きちんとvalidation cohortも用意。

結果としてはRAS変異の半減期は3.7か月ほど、EGFRは5-6カ月ほど。validation cohortでも同様の結果。
初回治療PD時のrelative MAFはRASで10.5%, EGFRで10.6%と結構高い。
re-challengeの時期が半減期より長くなるほど、有意差はないものの治療のORRも上昇傾向。

ざっくりいうと、以上のような結果。
筆者が述べるように色々なlimitationはあるものの、綺麗な結果で臨床的意義は高いと思いました。
疑問に思ったのがvalidation cohort (治療歴は不明)でも半減期があるってことは、最初にRAS変異が見つかっても時間を置けばsubcloneは減っていくということも示唆しているのか??この辺が前向きではないので何とも言えないところ。またEGFR re-challengeの効果も、その時の併用化学療法による効果もあるので一概には言えない(これはlimitationにも書いてある)
筆者としては半減期の2倍以上の期間(≒8カ月程度)をあけるといいかもというsuggestionを行っています。

subcloneの半減期が重要なのか、rMAF値が重要なのかについては今後前向きが行われる予定という噂を聞きました。
今保険が通っているRASKET検査は検出感度が1-5%。昔から疑問なのですが1%しか変異cloneがないのに治療が効かないってのも何だかおかしな話だなと思います。我々が見ているデータは全体としての結果ですから、恐らく個々としては効く症例もあるのでしょう。適切なcutoffを決めるというのは難しいですね。それに繰り返しになりますが、chemo併用ですから、EGFR抗体自体の効果だけではないという点も留意しておくべきかなと思います。

RAS変異検査についてはこちらのHPでopinion leaderの座談会が載っていますのでご参照ください。(2014年時点ですが)
もうすぐゲノム検査の保険が通って膨大な情報量が臨床の現場に溢れることが予想されますが、どうなることやら……。
更にctDNAによる経時的感受性検査が一般的になる時代も、案外早いのかもしれませんね。

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