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2019年5月27日 (月)

軟部肉腫のESMO-EURACANガイドライン (Ann Oncol 2018, 29: iv51-67)

軟部肉腫のESMOガイドライン。紹介されて積ん読になっていたので読みました。
組織型がありすぎていつも困る反面、治療法の原則は割と単純なのが救いです。以下自分用メモです。
減量手術ってあんまり意味がないんですかね。臨床では時々行われたりしているようですが……。

診断:
診断・治療にはhigh volume centerでのmultidisciplinary approachが推奨される。
直径5cmを超える説明のつかない軟部 or 皮下腫瘤は専門施設へ紹介。
診断にはMRI, CTが基本。生検は14-16ゲージのcore needle biopsyで複数検体採取。
表層<3cmの病変なら切除も考慮。出来れば永久標本を作成してから治療方針決定を。

病理学的診断は2013 WHO分類に従って行う。出来れば外部機関でvalidationも。
悪性gradeをFNCLCC grading systemに従って行う。原発部位・サイズ・深さも記入。
病理学的奏効も記載するが一部の癌種はvalidated systemはない。
診断は形態・免染で通常行うが、特定の組織型が疑われる場合、通常とは異なった臨床経過・病理所見の場合、診断・予後に関係がある場合は分子学的な検査を追加する。

限局性病変のマネジメント

手術が1st choice。
grade 2-3 (high grade), 深部, 5cm以上の病変には術後RT標準。
grade 2-3 (high grade), 深部, 5cm以下の病変もコンセンサスは無いがRT検討。
RTは50Gy + Boost 16Gyまで。
術後創部の問題が予想される場合は術前RTで50Gy→手術。
術前RTは合併症が少なく、QOLが高いなどの利点もある。

R1切除(病理学的遺残)の場合、再手術も検討。
R2切除(肉眼的遺残)の場合、high volume centerで再手術を検討。
再手術が難しい場合はmultidiscipilinary treatmentを。
R1-2切除後のRTは再手術が難しいときに検討。

切断術は一部の患者には適応となるが、ChemoやRTを併用した四肢温存も患者と相談。
TNF-α+Melphalan+温熱灌流, 四肢限局なら局所温熱+chemoも選択肢。

一般的にadjuvant chemoは成人のSTSでは標準的ではないが、high riskではopitonか。
NACとしては腫瘍縮小を狙い3コース程度、組織型に応じてアンスラサイクリン+IFOを行うとややRFS, OSが良い可能性がある。(※)

進行/転移性病変のマネジメント

維持性(DFS>1年)の切除可能肺転移再発は切除が基本。同時性の場合はchemoが標準。
肺外転移は切除可能であってもchemoが標準。(切除やRTはは限られた症例のみ)
chemoレジメンの標準はDXR。IFOやolaratumab併用はopition。angiosarcomaはTaxane感受性が高いのでoption。
DXR+DTICはLMS, solitary fibrous tumorの治療option。
切除不能のdermatofibrosarcoma protuberansにはImatinibが標準。
tenosynovial giant cell tumorにはimatinib, nilotinibがactive drug。
IFOはstandard-dose (9g/m2) で治療歴のある患者もhigh dose (14g/m2)なら効くことがある。
Trabectedinは二次治療のoptionでLMS, liposarcoma, myxoid liposarcomaには特に効果がある。
pazopanibはnon-adipogenic STSの治療option
eribulinはliposarcomaとLMSにDTICと比べ良い結果。特にliposarcomaに良かった。
GEM+DTXはLMS, undifferentiated pleomorphic sarcomaに良いかも。
GEM aloneはLMS, angiosarcomaのopition。
DTICは特にLMS, solitary fibrous tumorのoption。
regorafenibはnon-adipogenic STSのoptionか。
RTは主に緩和目的に用いる。

Follow-up

切除後high riskの多くは2-3年以内の再発が多い。遠隔再発の多くは肺。
MRIをlocal relapseに、CTを肺転移のチェックに用いる。
2-3年は概ね3-4ヶ月に1度チェック。5年までは1年に2回、それ以降は1年に1回。
low grade sarcomaは4-6ヶ月に1度でよさそう。 

special presentation

後腹膜腫瘍
生検は播種リスクを最小限にするため、径腹膜的アプローチは避ける。
不完全な切除はbenefit不明でpotentially harmful。
NACのevidenceは乏しいが、RT, regional hyperthermiaは限られた患者に有効かも。
solitary fibrous tumorはRTを考慮しても良い。
G2-3, deep, >5cmを対象に温熱療法+chemoが良かったと報告有り。

子宮肉腫
carcinosarcomaは上皮性腫瘍と考えられており、そちらに準じて治療するので病理で上皮性componentがないかチェックする。

Desmoid-type fibromatosis
βカテニン変異解析が診断に有用。経過観察も選択肢。治療にはRTやホルモン療法も検討。

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